SELF LINER NOTES


どうも、Hi-5ギター担当のテッペイことテッペイヤンです。

10月25日、約半年かけて魂削って創ったアルバムがいよいよ世に放たれます。

今作は自分がディレクションと半分プロデューサー的な立場で製作したので語りたいことも多く、特設サイトにこのコーナーを作って貰いました。

どうしてもギタリスト目線になっちゃう部分が多いのと、喋りたがりなので必要以上に長いんですが、良かったらお時間のある時に読んでやってください。

それではどうぞ。



01. BOYS & GIRLS

アルバムのオープニングを飾るのはHi-5お得意のゴリゴリのリフ+キック四つ打ちもの。

収録候補曲のデモを並べた時にこのド派手なイントロは1曲目しかない!と即決しました。勿論メンバーも異論なし。

一時期四つ打ちのバンドばかり増えて辟易してた頃に、俺らそんなの何年も前からやってるし、ていうか俺らロックバンドだし、と開き直った結果掴んだHi-5の武器だと思います、この手の曲は。

ステージでこれを演奏している間はなんだか「無敵感」が凄いです。どっからでもかかって来いや状態です。

間奏の重戦車のようなドラムが最高にアホで聴いてて笑えますね。四つ打ちじゃなくて八つ打ちですからね。もはやハードロック。

気持ち的にはレイジアゲインストザマシーン+フーファイターズ+デスフロムアバブ1979てな感じでしょうか。すみません、カッコよく言い過ぎました。

ちなみにサビ前のフランジャーがかかったギターはブラーの”Girls & Boys”へのオマージュです。

歌詞の「生意気盛りBOYS & GIRLS」ってのも発想が武田さんらしくて面白いなぁと感心しました。

よかったら配信DLじゃなくてCDを買って歌詞カードもじっくり読んでみてください。結構面白いこと言ってます。

この曲、ライブの序盤に持ってくることが多いのは体力の消耗が激しいから…というのはココだけの話です。

お祭りみたいな曲なのでライブでも盛り上がっちゃってください。

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02. universe

これは収録曲の中では結構古めの曲。ライブではお馴染みですね。

Hi-5らしいどこか切なくて、それでいて高揚感のある大好きな曲です。

四つ打ちを取り入れたバンドはたくさんいますけども…いやぁ申し訳ない、こういうのやらせたら間違い無く僕らがNO.1じゃないかなと思っています。なんちゃって。

サビで上昇して行く歌メロと、いつもより少し凝ったギターのボイシングの絡みが聴きどころのひとつかと。

Aメロのアルペジオも秀逸ですね、我ながら。

この曲の基本のドラムパターンは武田さん考案ですが、妙に難しいらしくオダさんは未だに苦手意識を持っているようです(何年やってんだ!)。

ライブ中、対バンのドラマーさんがこのパターンの手順を解析しようとエアドラムをしているのが見えると、あぁやっぱ変なんだと吹き出しそうになります。

かの高橋浩司先輩からは「この曲があればもうTOKYO LIFEはいらないよ!」とお墨付きを頂きました。

そのせいで最近あまり”TOKYO LIFE”をライブでやらなくなった…というのはココだけの話です。

ちなみに最後までリード曲候補に残った自他共に認める名曲であります。

構成、音使い、キックの抜き差し、ブレイクの入れ方などエレクトロロック(ていうのか知りませんが)のお手本のような曲ではないでしょうか。なんちゃって。

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03. sign

アルバム制作に入る前に持ち曲から候補曲を10曲選んだのですが、1曲だけちょっとイマイチでボツになりました。

そのまま9曲でアルバムを作る案も出たんですが、絶対二桁は譲れない!という話をメンバーにしたら「じゃあ、お前が新曲作ってこい」と言われちゃったので久々に自分がほぼ丸々1曲作って持って行きました。

昔はよく曲作って持って行ってたんですが、武田さんが歌いにくそうにしている曲もあったりしたので、やっぱり歌う人がメロディ作った方が良いかなと思い意識的にメロディを持って行くのはやめていました。

でもコレで味を占めたのでまたポツポツ持って行こうと思っています。

この曲は懐かしのデジタリズム辺りを意識して作曲しましたが僕らがやるとどうしてもエモくなりますね。

泥臭いというかなんというか…17年東京に住んでいてもやはり地は隠せないというか垢抜けないもんです。

なんならスタジオで一番時間がかかったのはどのBPMが最もエモいか決める作業でした。この曲に関してはBPM126が正解。

ただ結果的にありそうでなかった新たなHi-5節が引き出せた気もします。同期使ってようがなんだろうが俺らロックバンドだ、というのをうまく形に出来たんじゃないかな。

ちなみにギタリストとしてはこのリフだけで飯3杯食えるだろ!と思ってイントロもAメロも弾きまくったんですけども、改めて聴くとちょっとしつこいですね(笑)

サビのアルペジオは俺天才だ!と思いました。

あとギターソロは何気にティーンエイジファンクラブを意識しています。

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04. spinning around

推し曲候補だらけで揉めに揉めた結果、激戦を勝ち抜いてリード曲になった曲です。

シンセの浮遊感、サビに入った瞬間のまばゆい開け方、Cメロからまたサビに戻る時のドラマチックさ、後半に行くに従って熱を帯びて行くドラムとギター、そして何と言っても美しい歌のメロディ、やっぱりこの曲が一番Hi-5っぽいなぁと思います。

直訳すると「ぐるぐる回る」というこのタイトルにもとてもドラマを感じます。例えば日々同じことの繰り返しだったり、輪廻転生だったり…色んな解釈が出来るところが個人的には泣けるポイントです。

他の曲の方がポップで耳触りが良かったりするのかもしれないですけど、このアルバムを代表しているのは間違い無くこの曲ではないかと。

ちなみにこの曲のMVはもうご覧頂きましたでしょうか?

メジャー時代に”TOKYO LIFE”や”ほんとうのこと”のビデオを作ってくれた天才・清水康彦監督に撮ってもらいました。13年ぶりのタッグです。

打ち合わせの時に監督から「かつての想い、今宵再び」というテーマを聞かされた時は「(コイツ13年前より狂ってんな…)」と内心思いましたが、完成したMVを観て躍動感と美しさの融合にちょっと本当に涙が出そうになりました。やはり天才は天才でした。

楽曲の持つ世界観と僕らHi-5のことをこれ以上なく理解してくれている彼だからこそ表現出来た映像作品だと思います。

スケジュールパツパツな上に予算も全然ない状態で魂込めてMVを仕上げてくれた清水監督にこの場を借りて改めてお礼を言わせてください。

清水くん、本当にありがとう。心から感謝します。

ただ唯一残念なのは女の子達の撮影シーンには一切立ち会えなかったことです。そこだけは清水くんのスケジューリングを恨みます。一生ね。

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05. Tonight

これはみんな大好きダヴズ辺りを意識した感じでしょうか。好きなんですよね、頭打ちのドラム。

僕らが若い頃一番影響を受けたUKロックの「旨味」をHi-5流に濃縮還元した曲です。

重心の低いドラムから始まり、サビでパーンと開ける感じは痛快であり快感ですね。

ただミックスに一番時間かかったのはこの曲でした。何回武田さんにNG出したか覚えていません。

「他と比べてクオリティ低すぎ」とまで言っちゃいましたから。きっと僕に対して殺意を覚えたことでしょう。

結果的にはとても良いミックスに仕上がりました。何なら一番好きなミックスかも。武田さんマジお疲れ様でした。

オダさんはこの曲が一番好きらしく、自分のことを「トゥナイト大好きオジサン」と呼んでいます。もはやHi-5の山本晋也か乱一世ですね。

ギタリスト的には間奏のシューゲイザー的な音作りで身近なシューゲイズバンド達にリスペクトを込めたつもりです。伝わるかなぁ?伝わんねぇだろうなぁ。

そうそう、この曲の間奏で「All is Bright」という歌詞が出てくるのがヒントとなってアルバムタイトルに繋がっています。

アルバムタイトルはクリスマスソングの一節を引用しているので実際の意味は違うんでしょうけど、「All is Calm, All is Bright」という響きが僕には「悟りの境地」のように感じられて、20年近く3人でやって来て辿り着いたこのアルバムだからこそ、そう名乗っても良いように思えたんです。

もちろんこのアルバムは通過点であり、ゴールではありませんけど。

このアルバムタイトルは19年やってきた自分達へのちょっとだけのご褒美と、これからの決意を込めて付けました。

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06. colors

僕らが昔から持っている一つのルールというかジンクスみたいなのがあって、「名盤の条件、それは6曲目が隠れた名曲であること」なんです。

ステジオでジャムってる時に、いまだかつて聴いたこともないような変なドラムを叩けとオダさんに指示を出し、武田さんと僕は今まで使ったことがないキー”F”で曲を作ろうというお題でこの曲はスタートしました(基本的にHi-5はテーマだけ決めてジャムセッションで曲を作ります)。

そしたらオダさんがタンバリンまで入った本当にへんちくりんなドラムを叩き出したので、僕も頑張って合わせてFのリフを弾いてたら武田さんがスルッとこのメロディを紡ぎ出しました。

出来上がるまでにそんなに時間はかからなかったと思います。そういう時は大体名曲。

なんとなくスコットランド民謡のようなリズムだったので仮タイトルは”スコティッシュ”だったんですが、今聴くと別に全然スコットしてませんね。

送られて来た歌詞を見て速攻でタイトル変えました。”colors”で正解だったと思います。

ただこの曲すごく難しくてライブでも1,2回しかやっていません…。

でも名曲なのは間違いないのでジンクスに従いこれを6曲目に入れておけば名盤確定だろうということで収録しました。

異色ですが良いアクセントになっていると思います。

基本的にどの曲も半日〜1日位でギターは録り終わってるんですが、これは2日半かかりました。アレンジ大変だった〜。

どうやってライブで再現するか既に悩んでいます。

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07. 17

今作唯一の8分の6拍子の曲です。

武田さんには悪いクセがあって、録音段階にならないと歌詞を書きません。ライブではほぼ嘘英語で歌っています。

なので新曲が出来るたびに大体僕が勝手に仮タイトルを付けます(あとでほらあの速い曲とか、こないだのGの曲とかなるのがめんどくさいので)。

これもできた瞬間に”17”と直感で名付けました。

ギターを録ってる段階では歌詞はまだ見てなかったんですが、勝手にこの曲には青春を感じていたのでメンバーには何も言わずアウトロに普段の自分じゃ弾かないような青臭いソロを入れておきました。

Rec中にもっとキラキラ感が欲しいと言って足して貰ったシンセの音がまた青臭くていいですね。

そして歌が入って上がってきたら「これは俺らの大学サークル時代のことを歌った」ですって。まさに青春時代!

やっぱり20年近く一緒にやってると何も言わなくても通じ合っちゃうんだなぁと感心したものです。

ただ大学時代の歌なら17じゃなくて19じゃなきゃいけないはずですけどね(笑)

Hi-5は元々ズボンズに憧れてああいう激しいロックがやりたい!というコンセプトで組んだバンドなんですが、メンバーのルーツはギターポップだったりします。

意外と僕らこういう真っ当なギターロックの曲少ないので、密かにお気に入りの曲です。

僕らが所属していた「FREE SPIRITS」という音楽サークルのことを歌った曲ではありますが、これを聴いてそれぞれの青春時代に思いを馳せて頂ければと思います。

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08. I've been ready

これもこのアルバムの中では古めな方でしょうか。何度かライブでもやっていたんですが他に新曲が出来てきて埋もれちゃってたのを掘り起こしました。

まずはなんと言ってもドラムパターンがカッコイイっすね。2ndとか3rdアルバムでは本当は僕らこういうのがやりたかったんじゃないでしょうか。やっと技術が追いついてきたという感じですね。

いわゆる機械的なブレイクビーツではなく、人間らしいブレイクビーツというか。

90年代後半〜2000年代初頭は機械でしか出来ないようなことを人力でやるってのが流行りの一つでもあったと思うんですが、こういう人間味溢れたブレイクビーツ感ってのが本当は面白いんじゃないかな、なんて久々にこの曲と向き合って思いました。

あと個人的にはAメロの歌詞の世界観と言葉のチョイスが最高だと思っています。「15時まであと50秒」なんて武田さん天才じゃなかろうかとシビれました。

ハモリもいい味出していますね。聴いた瞬間ゾクッと来ました。

ハモリといえばこの曲は沢山コーラス入ってますが、アルバム全体ではハモリをあえて少なくしています。

「合唱隊じゃないんだから」っていう位コーラスが入った曲が最近多いような気がして…それに対するちょっとしたアンチテーゼです。

地味に聴こえるかもしれませんが、あえてハモリを減らすことで主メロの強さを前面に出したかったというのが狙いでもあり、実験でもあります。

あ、そうだ。ちなみにこの曲AメロはキーがG(Em)でサビはサラッとCに転調しています。というのを録音している時に気付きました。

それとサビの2つ目のコードをずっとうやむやに弾いてたんですがあれはG/Fです。以上、武田さんへの報告でした。

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09. WICKED BEAT

この曲はごめんなさい、ライブ会場限定シングルとして売っていた曲です。

「なんだよ同じの入ってんじゃん!」と思われ方もいるかもしれませんんね…。

でもやっぱり”waves”以降の僕らを総括する上でこの曲はどうしても外せなかったんです。

立ち位置的には”BOYS & GIRLS”に近いのかな。僕らにしか鳴らせないダンスロックソング。

これ演奏している時、お客さんだけじゃなくハコのバーカウンターの中にいるスタッフまで踊ってるのが見えるとテンション上がります。

ちなみにこの曲は本当に5分で完成しました。そういうことって曲作りやっているとごくごく稀にあるんですよね。

忘れもしない都立大ノアのA1スタジオにて。

キーとテンポだけ決めてせーのでジャムり始めて、そのままほぼ完成形で完奏。僕が次そろそろサビかな〜ってところでコードを動かすとそれに合わせて武田さんもサビのメロディが一発で出ちゃう。

まさに神が降りてきた瞬間ってやつですね。

前作”waves”から確実に一歩前へ進めた曲でした。この曲があったからその後のHi-5、そしてこのアルバムがあると言っても過言ではありません。

これぞ2010年代のHi-5だ!と言える珠玉のダンスチューンだと確信しています。

勿論このアルバム用に全部録り直しています。

だから限定シングル買った方、どうか許してくださいね。カップリングの方はシングルにしか入ってませんので。

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10. green

実はこの曲は”waves”より前からある曲なんです。

僕がリフだけ作って持って行って、たまに思い出しては形にしようとして頓挫して…というのを何年も繰り返してようやく完成しました。出来上がるまでに3年以上かかったんじゃないかな?

でも意地でもこの曲は形にしたかったんです。それくらい個人的には思い入れが強くて。

元々はEのキーで作ったリフだったのを武田さんのアイデアでBに変えたことで一気に前進したと記憶しています。

もうこの際なのでネタばらししますけど、この曲はピールアウトが掲げた「激ロック」というアティテュードを受け継いでいくつもりで作りました。これはメンバーにも言ってませんけんどね。

タイトルの”green”はモーサムの”Green & Gold”から拝借しています(百々さんごめんなさい)。

僕にとってのリアルなライブハウスシーン体験ってのは90年代後半の北九州・黒崎と2000年辺りの下北沢や渋谷でした。対バンとは目も合わせずライブやりまくってシノギを削っていた時代。

あの頃が良かったなんていうつもりは毛頭ありません。今だって尖っててカッコいいバンドはいっぱいいるし。今は今のバンドの在り方があるってのも承知しています。

ただ、当時の自分が肌に突き刺さるように感じていた”あの”感覚を全身全霊でステージで解放する為の曲が”green”なんです。

「激ロック」に心撃ち抜かれた人達みんなにこの曲が届いて、そして何かを感じ取ってくれたら最高だな。

“All is Calm, All is Bright”とという物語を締めくくるのにこれ以上ふさわしい曲はないでしょう。

僕らはこれからもロックし続けていく、という決意表明でもありますから。

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以上、長々と読んで頂きありがとうございました。

これにてテッペイヤンによるセルフライナーノーツはおしまいです。

ミュージシャン的には「あの曲はこんなエフェクター使って」とか「実はあのアレンジはあそこがこうで」みたいな話もいっぱい書きたかったんですけど、この調子だと一冊の本になるくらい長くなるので割愛しました。

ただ、通常では考えられない低予算で快くマスタリングを引き受けてくださったバーニーグランドマンの山崎翼さんにもこの場を借りてお礼申しあげます。最高のマスタリングをありがとうございました。

今作は「13年ぶりのフルアルバム」ってコピーが先行していますが(実際そうなので仕方ないですけど(笑))、僕らはこの13年間何もやっていなかったわけではなく、ミニアルバムや会場限定シングル出したりしつつ地道にライブ活動を続けてきました。

今年結成19年、来年4月で丸20年になります。

そしてメンバーチェンジも活動休止もせずやってきたことが結実したのがこの”All is Calm, All is Bright”という作品です。

僕らは口下手&人見知りな3人組で、自分達をうまく宣伝するのがどうしても苦手なので…もしこれを読んで、そしてアルバムを聴いてくださった貴方が友人知人の方にオススメしてくださったらこれ幸いです。

「懲りもせず20年もバンドやって、でもこんなにキラキラしたアルバム作った奴らがおったわ」と、この先覚えていてくださるだけでも最高に光栄です。

この作品が貴方の心の1ページにほんの少しでも彩りを添えられることを心から願っています。

Hi-5 ノグチテッペイ

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